映画「この世界の片隅に」 感想

映画「この世界の片隅に」を見てきました。

すっごい映画です!ほんとにすっごかった。

今、世界の紛争地域で暮らしている人たち全員に見せてまわりたいです。

上映会してまわりたい。そんな衝動に駆られました。

心のかなり深いところをえぐられて、ちょっと重症・・・

内容は相当重いですから。正直苦手。でもそれだけではない。強さと希望としなやかさ。

だから評価が高いんでしょうね、納得です。

前評判の高かった映画ですが、詳細はよくしらないまま戦争アニメ?みたいに思って映画館に入りました。

夜の会なのにめっちゃ混んでました。そして映画が終わってもみなさんなかなか席を立ちませんでした。

みんなずっしりきてたんだと思います。

以下、ネタバレしつつ感想。***********

主人公の独特な声は、能年伶奈さんあらため「のん」さん。

ふんわりした独特のしゃべりかた。

これは好き嫌い別れると思うのですが、主人公のイメージとはぴったりです。

最初はほわーっとしていて、ずーっとこんな感じに淡々と語られるのかと思いきや、途中から加速して展開していきます。

おおらかな主人公のすずですが、少しずつストレスにさらされ、心身に異変をきたしてきます。

結婚相手の周作が優しいことだけが救いの日々。悪化していく戦況、空襲の恐怖、日々の生活の苦しさ。でも持ち前のおおらかさとポジティブさで耐え忍びます。

慣れない土地での不便な生活、意地悪に見える姉との確執、そして姉の子供の面倒をみている最中に爆死させてしまい、自分の右手も失い大怪我を負う。怒り悲しむ姉の暴言。

この辺で彼女の理性は崩壊の危機へ。

そして広島長崎への原爆投下による、終戦。

ボロボロになった彼女ですが、最後にみんなの優しさに触れ、広島でついてきた身よりのない少女を引き取り、これが結果的にこの家を明るく、幸せに導いてくれます。

いろいろな伏線があるのですが、どうやらこの少女は昔彼女がスイカをあげた「座敷童」だったみたいです。

私が一番衝撃的だったのが、すずの夫周作が、すずを他の男と二人で過ごさせるために家に鍵をかけたシーン。

幼馴染の男、水原が、すずを訪ねて海軍の制服をきてやってくるのですが、宿を貸し出すときに、わざわざ離れの納屋を用意します。

仲よさそうなすずとの様子をみて嫉妬しているようだったので、あれ、意地悪?と思いきや。

なんと、彼のもとへ暖房機器をもっていくようにと指示するのです。そしてゆっくり話すようにといって、すずを家からだし、直後に鍵をかけるのです。

ええ??どういう意味??

と思ったら、やっぱそういうことでした。

水原はすずが好きで、すずも水原が好きでした。夜二人で話すうちにそういう雰囲気に。

特にすずも拒否しないので、???と思っていたら、今は違うと!やめ!となり、ほっとしました。

でもいくら生死をさまよう兵隊であっても、自分の嫁を差し出す??

ちょっとびっくりしました。

のちにこれも周作とすずの仲を深めることになり、色々全てがうまくいくのです。

登場人物、みんなそれぞれ癖はあるけどいい人ばっかり。

みんなで笑いあって暮らせる。

それが如何に普遍的価値のある宝物か。

戦争経験のない若者、子供、そして、今苦しんでいる世界中の人々にこの映画がみてもらえるようになってほしい。

心に響いいても響かなくても、いいと思えなくても、何か伝わる気がします。

そして、今この平和な時代に生きていることに、本当に感謝が湧き上がります。

なんて幸せなんだろうっておもわずにはいられません。

多くの犠牲の上に作り上げられたこの貴重な平和を、めいっぱい幸せに生きなければバチが当たる!

間違いなく、今年一番の名作!!!

giogio

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